2009年7月29日水曜日

英国物見遊山 - 街並

 今回の旅行で特に思ったのは「どこを撮っても絵になる」だ。工業地帯には行ってないのでイギリスが全部そうではないのかもしれないけれど、今回訪れた地はどこもきれいな街並だった。

 コッツウォルズは最近日本からの観光客が増えて、さらに手入れがされるようになった。土産物屋さんに行けば、何も言わなくてもVAT払い戻し申請用紙を手渡してくる。B&Bのオーナーは「コッツウォルズのアンティック・ショップの価格は以前の2倍になった。日本人観光客の所為だ」と言った。少し間をあけて「アメリカン人観光客と」

 チョット脱線したが、コッツウォルズ以外の地でも街並は絵になると感じる。ひとつの街がなにか統一感があるからなのだろう。おおよその家が石造りで同じトーンの色使い、似通った様式に見える。何世紀も前に建てたものを修理して使っている。なぜ、英国人にできて日本人にできないのか、滞在中疑問が消えることなかった。

 家を壊すとか修理するためには行政に申請をして許可をもらわなくてはいけないらしい。それがこの環境を守るために大きな役目を果たしているのだろう。だけど、この広い地域全体がそのような行政を行なうには、相当なリーダーシップが必要だろうし、それを許す住民の意識も高くなくてはならない。やはり我々には無理なのか。

 日本で田舎に行くと、あ~あと思うような建物がありますよね。特に役所とか市民会館、図書館などの公共の建物。どうして都会を真似たデザインじゃなきゃいけないの。ほんと残念。田舎は景観も財産です。それを壊さないで欲しい。
 

2009年7月27日月曜日

英国物見遊山 - イングリッシュ・ブレックファースト

 イギリス料理は、ヨーロッパの他の国々に比べてあまり評判が良くない。質素を重んじる国だから食べるものに文句を言っちゃあいけないのです。でも、朝食は別かもしれないと今回の旅行で思ったのでした。

 典型的な朝食は、ベーコン、ソーセージ、卵、マッシュルーム、トマト、豆をお皿に盛って供される。注文時にどれが欲しいか指定しなけりゃいけない。これがチョット面倒。そんな場合はフル・イングリッシュ・ブレックファーストと言えば、正にフルオプションの品目となる。私は大体これ。他にジュースにトースト。コーヒーか紅茶となる。別にシリアルやフルーツが用意されてお好みに応じて選択ができる。量も質も本当に満喫できます。

 泊まった所すべてで朝食をいただいたのだけど、どこもおいしかった。特にベーコンは、これまで食べていたベーコンとは別物。歯ごたえあるけどゴックンする必要のない硬さ。塩味でうまみのしっかりした味でした。

 Lowe Farm B&Bで、どら焼きサイズのマッシュルームを見たときはビックリしたけど、味は良かった。トマトは焼いて食べるものなのねって言う発見もありました。

 Lea House B&Bでは、Kipper というのをメニューに見つけ注文してみた。「骨の多いお魚よ。大丈夫?」って言われた。「お魚食いは任せてよぉ」って英語では言えなかったけど、まあ注文。出てきたのは、正に小骨がしっかり張ってる燻製の魚だ。後で辞書で知らべたらニシンだそうだ。その時はウナギかハモかと思いながら。味はとてもよかった。オーナーが親切にも目前でナイフとフォークを使って器用に骨を取ってくれたのでもっとおいしくなりました。
 

2009年7月26日日曜日

英国物見遊山 - B&B

 英国のカントリーサイドを主に周る旅なので、宿泊もB&Bとした。以前宿泊して良かったと言う人から推薦してもらったLowe Farmというところに3泊。

 日本で言うなら農家民宿。80ヘクタール(200エーカー)の敷地があるという。坪数に換算すると約80x3,000=240,000坪だ。正方形だとすると一辺が900メートル弱となる。とんでもない大きさに聞こえる。だけど、ご主人によるとこの広さでは充分な稼ぎはできない。せめてこの2倍は必要と言っていた。


 主に羊を飼うのと、ジャガイモや麦の農産物を作っている。昨年は冷夏で麦の出来高は散々だった。羊もここ12年間羊毛の値段が上がっていないのに、経費は年々上がっていると嘆いていた。羊一頭あたり儲けは50ペンスしかない。新素材により羊毛の需要が減っているのでしょうか。やはり農業は厳しいですね。

 政府から年間1万ポンドの補助をもらっているとか。海に泥を流さないために、農園の水流を整備することによりその補助を得ることができるのだと言う。ほんとイギリスも環境保全に色々頑張っています。


 さて、このB&Bで農作業のお手伝いをさせてくださいとお願いしたら、「はい、どうぞ」と。羊が柵を抜け出てしまったので、その修理をするという。「その補助をよかったらして下さい」と。自分が役に立つのかどうか不安もあるけど、即刻「お願いします!」ということで、ランドローバーでご主人と二人でお出かけです。


 見ると柵と言っても生垣ですね。この穴をすり抜けてしまったのだ。鉄条網は羊には無力だそうだ。純毛が覆っているので痛くも痒くもない。早々に近くの枝をチェーンソーで切ってきて、それで穴をふさぐ。自分は枝の運送と手渡し係、ご主人がセッセと穴ふさぎ。途中雨が激しく降ってきたので、車に避難が2回。イギリスの天気は晴れ曇り雨を短時間で繰り返すのです。正味30分で作業完了。良かった良かった。


 後は敷地内をランドローバーで案内していただいた。
「40数年前は、敷地に接して列車の線路があった。それが廃線になり残念。」
「ここをガス管が走っていて、以前たびたびガス漏れがあった。ガス会社が修理に来るのだけど、その度に50ポンドを支払ってくれた。でも、最近は新たなガス管が追加されて、漏れることが無くなった、残念。」
「この木の下でおじさんが亡くなった。」
「フットパスという誰でも利用できる歩道が敷地内にある。これをしっかりと保持しないといけないと法律で決まっている。」
などなど、色々なことを教えていただいた。ああ、楽しかった。

 「もし、午後に羊が抜け出していたら、お前のせいだからな、OK?」と最後に言われた。責任重大です。
 

2009年7月24日金曜日

英国物見遊山 - Fun To Drive


 英国旅行中、主な移動方法はレンタカーにした。アメリカでの運転経験は結構あるのでイギリスでも、何とかなるでしょと思っていた。結果としては事故もなく帰ってきたので大きな問題はなかった。けど日本と同じところや違いがあったのも事実。思いつくままに項目を挙げるとこんな感じです。

日本と同じところ。
  • 左側通行であること
  • 郊外に行くとほとんど歩道がない
  • 道が狭い
  • 自転車がかわいそう (町に行くと自転車も歩道を走っても良い)
  • 対向車が道を譲るときヘッドライトをフラッシュして合図
  • すりかわりができない時道を譲ると、手をあげて挨拶してくれる
  • 町では朝晩渋滞が起きる
日本と違うところ
  • ラウンドアバウトがある (なので、信号がものすごく少ない感じ)
  • 普通の道でも制限速度が時速60マイル(96km)
  • 町や村に入る手前から40マイル、30マイルと速度制限が頻繁に変わる
  • 信号が赤から青になるときに一瞬黄色が点灯する
  • ウィンカーのスイッチが左側にある、右はワイパーだ
  • ほとんどの車がマニュアルシフト、レンタカーもです
  • 2ボックスタイプの車が圧倒的に多い。1ボックスや3ボックスは少ない
  • ほとんどの人が凄いスピードでとばす
  • 道の右側に駐車(逆駐車)するのはあたりまえ(狭い2車線の道で、駐車を片側に寄せることで通行を確保する配慮)
  • 歩行者は信号を守らない(ロンドン市内だけ?)
  • 高速道路が無料
 一番の違いは郊外での運転で目一杯のスピードでとばすことだ。チョロチョロ走っているとすぐに後から煽られる。凄いプレッシャーです。助手席からは「そんなに飛ばすな光線」がギラギラだし、ほんと困る。7月末までは、道両側の垣根を刈ることが法律で禁じられているという。鳥の子育てが終わるまで巣を壊さない配慮だそうだ。左右さらにアップダウンにうねる道なので見通しは最悪だ。



 運転好きにはたまらない道路かもしれないと途中から思いだした。信号は少ないし、継ぎ目のない舗装はきれいだし、単にまっすぐではなく、テクニックを駆使してそこそこのスピードで曲がりくねった道を走るのはある意味とても面白い。おまけに車はマニュアル/シフトし、景色も良い。前のノロマをアオリたくなる気持ちもわかる気がする。今度もし機会があれば、2シーターの軽量スポーツカーを借りてみたい感じ。
 

2009年7月23日木曜日

英国物見遊山

 ご無沙汰でした。ニョーボ殿の案内でイギリスに行ってました。以前仕事でスコットランドのエジンバラに行ったことはあるけど、イングランドは生まれて初めて。ロンドンで一晩を過ごし、その後は西の田舎のB&Bめぐりです。もうちょっと行くとウェールズになるとか。列車に乗っていると訳わからない言葉でも緊急時脱出の案内が掲げてあり、それがウェールズ語か?と。

 全工程9日間。自分の思い出用にポイントポイントを紹介します。


 まずは、旅後半に訪問したブレナム宮殿。チャーチルが生まれた家だという。生まれた部屋も公開されていてのだけど、庶民にはなんとも落ち着かない調度だし、広さも半端じゃない。

 一番の驚きは、ゴルフ場グリーン状態の芝が延々と広がっている庭だ。このメンテナンスにいくら掛けているのか。そんなことが気にかかちゃうのです。

 入場料は一人17ポンド50とちょっと高め。交換時のレートで言うと2,800円なのです。ところがですね、”Buy One Day, Get 12 Months Free"つまり「一日分を買えば12ヶ月無料」キャンペーン?をやっていて、書類に住所や名前を書いて事務所に申請すると年間入場カードをくれる。その場で写真もとってクレジットカードタイプの奴を即時作成してくれるのです。なんかとても得した気分。でも今度行けるのはいつか。それが問題。写真もきれいにバッチリ写っているので、人に貸すわけにもいきません。残念!
  

2009年7月5日日曜日

物置建設 継続中

 物置小屋は床ができたところで停まっている。同じ日に隣の敷地でも当方の何倍もの大きさの小屋の棟上が始まった。在来工法だ。大工さん3人で午前中に棟ができ、午後には屋根の下地となる野地板が張られた。やはりプロの仕事はスムーズだと感心する。

 こちらが進まない理由はいろいろある。雨が時々降るし、材料をいちいち寸法に合わせて切らなくてはならない。発電機の容量が小さいため小型の丸ノコしか使えない。それも時々過電流となり自動的にシャットアウトしてしまうので発電機を止めて再起動しなきゃならない。

 だけど工事が進まない一番の理由は、設計がいい加減であり、2番目の理由が大工さん(つまり自分)の経験不足だ。一応JW-CADソフトで設計図は描いたけど、現実では実存できないような構造になっているぞ。現地で材料を合わせて始めて発見することがある。材料を一度切ってしまうともう戻せないとの思いが、材料切断の決断を鈍らせる。

 でもこの困難さが、ある意味楽しいのかもしれない、とポジティブに考えている。現在ほど時間の余裕があったことがこれまでの自分の人生にあっただろうか。締切りがあるわけではない。物置の完成は実はいつだって良いのである。そして毎日色々な発見がある。じっくり作るのを楽しめば良いのである。
 晩御飯を焚火を使って作ってみた。早くから火をおこし、置き火にしておいた。炎が上がっているとナベがススで真っ黒になっちゃうので。火加減もちょうど良くなり、ご飯も焦げずにうまく炊けた。ダッチオーブンに根菜類を入れて、オリーブオイルと植わっているタイムやローズマリーを摘んできて香り付けしてみた。こちらはチョット焦げたけど、そこそこの味だった。
 

2009年7月1日水曜日

物置建設

 建物完成の暁にはあれをやろう、これをやろうとの計画を構想している。その構想の題材や材料をインターネットやお店に立寄った時に「これ良いんじゃない」とついつい購入。そうしているうちに仮住まいアパートの部屋ひとつが満タンになってしまった。もう置き場所ないから購入は現在禁止!となっている。

 と同時に、現地の草刈りや園芸の作業時に、昼ごはんぐらい現地で作って食べたい。と、まずはキャンプ道具の収納場所としての物置を作ることにした。農具小屋建築の腕慣らしでもあるし。畳一枚ぐらいの大きさなら、きっと1~2日でできちゃうよね。

 まずは基礎の構築。ホームセンターでコンクリート・ブロックを買ってきたけど、この土地はチョット掘ると石がごろごろ出てくる。かつて畑だったってほんと?と疑いたくなる。でもそれを利用しない手はない。頑張って小石や持てる限界の石を運んで基礎にする。

 水平をとるために、新兵器を購入した。水準器にレーザーがついた奴だ。優れものでひとつの角をまず決めたら、そこからレーザーを飛ばし、次の石の高さをセットすれば良い。できたら次と、残り3ヶ所の高さを決めれば完了。

 と、口で言うのは簡単なのに、いつものことだけど実行は色々な困難に遭遇するものです。石を集めるもの大変だし、それを運ぶのも。一輪車が欲しい! そして、ひとつの角を決めるのに小一時間。次の角をきめるのにも同じぐらいかかった。

 そもそも土地全体がうねっていて、水平な箇所をどこにもない。人間の目はあてにならないもので、水準器の言う水平がどうも信じられない。自分に問題があるのはわかっているのに、素直になれない。何度もやり直してやっと4つの石をセットしてました。今日一日の作業はこれまでです。