2009年7月26日日曜日

英国物見遊山 - B&B

 英国のカントリーサイドを主に周る旅なので、宿泊もB&Bとした。以前宿泊して良かったと言う人から推薦してもらったLowe Farmというところに3泊。

 日本で言うなら農家民宿。80ヘクタール(200エーカー)の敷地があるという。坪数に換算すると約80x3,000=240,000坪だ。正方形だとすると一辺が900メートル弱となる。とんでもない大きさに聞こえる。だけど、ご主人によるとこの広さでは充分な稼ぎはできない。せめてこの2倍は必要と言っていた。


 主に羊を飼うのと、ジャガイモや麦の農産物を作っている。昨年は冷夏で麦の出来高は散々だった。羊もここ12年間羊毛の値段が上がっていないのに、経費は年々上がっていると嘆いていた。羊一頭あたり儲けは50ペンスしかない。新素材により羊毛の需要が減っているのでしょうか。やはり農業は厳しいですね。

 政府から年間1万ポンドの補助をもらっているとか。海に泥を流さないために、農園の水流を整備することによりその補助を得ることができるのだと言う。ほんとイギリスも環境保全に色々頑張っています。


 さて、このB&Bで農作業のお手伝いをさせてくださいとお願いしたら、「はい、どうぞ」と。羊が柵を抜け出てしまったので、その修理をするという。「その補助をよかったらして下さい」と。自分が役に立つのかどうか不安もあるけど、即刻「お願いします!」ということで、ランドローバーでご主人と二人でお出かけです。


 見ると柵と言っても生垣ですね。この穴をすり抜けてしまったのだ。鉄条網は羊には無力だそうだ。純毛が覆っているので痛くも痒くもない。早々に近くの枝をチェーンソーで切ってきて、それで穴をふさぐ。自分は枝の運送と手渡し係、ご主人がセッセと穴ふさぎ。途中雨が激しく降ってきたので、車に避難が2回。イギリスの天気は晴れ曇り雨を短時間で繰り返すのです。正味30分で作業完了。良かった良かった。


 後は敷地内をランドローバーで案内していただいた。
「40数年前は、敷地に接して列車の線路があった。それが廃線になり残念。」
「ここをガス管が走っていて、以前たびたびガス漏れがあった。ガス会社が修理に来るのだけど、その度に50ポンドを支払ってくれた。でも、最近は新たなガス管が追加されて、漏れることが無くなった、残念。」
「この木の下でおじさんが亡くなった。」
「フットパスという誰でも利用できる歩道が敷地内にある。これをしっかりと保持しないといけないと法律で決まっている。」
などなど、色々なことを教えていただいた。ああ、楽しかった。

 「もし、午後に羊が抜け出していたら、お前のせいだからな、OK?」と最後に言われた。責任重大です。
 

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