自給生活学校の二回目の活動。この日はもみがらをいぶして炭にする作業だ。雪が溶けた頃、コメの種を蒔いた上にこの炭を被せる。これにより、土壌改良と共に、日光をより良く吸収して土の温度上昇を促進するのだ。寒いこの地の農業ではよく行われることらしい。ビニールシートのマルチより、当然自然に優しい。
こんな有益なもみがらも実は嫌われ者らしい。処分に困っているのだ。かつてはこれを燃料にしたり、農作業に使ったりだったのだが、今はお金を払って処分をしている。コイン精米所に行けばいくらでも分けてもらえるとのことだ。
作業は、まず薪を燃やし、その上にもみがら燻炭器を被せる。この燻炭器は、こちらのホームセンターでは普通に売っているやつ。値段も安い。そして、もみがらを山のように積む。今回は25kg用の米袋6個分。これで2~3時間ですべて炭にすることができる。
ここまで作業をすれば、後は待つだけ。春のきざしに囲まれて、自給生活学校の生徒のみなさんとのんびりおしゃべりだ。東京からの参加者やこちらへの移住組やらいろいろ。隣ではこの学校のOBのみなさんも自分たちの田んぼ用に燻炭作りをしている。その方たちにも昨年の経験を聞いたり。
さて、待つこと2時間半。もみがらの外側もチラホラ黒くなってきた。そろそろ出来上がりか。
ところで、この作業に使う便利な道具、小型のスコップ。十能(じゅうのう)と呼ぶ。子供のころ石炭や薪で風呂炊きをしていたころ、この道具を使っていたなあ。確かにそう呼んでいた。10通りの使い道があるからそう呼ぶのだと今回教えていただいた。そうなんだっと納得はしたど、そんなに使い道があるかどうか、思いつかないけど、、。
十能を使って、トタン板に燻炭を広げ、ジョウロで水をかける。炭はいつまでも温度を保っていて何時間もくすぶり続ける。しっかりと常温にしておかないといけない。これを袋詰めして倉庫にしまっておいたら、翌日その倉庫が火事だったとの実話もあると言う。
春間近のこの日、気持の良い時間を過ごすことができました。ただ、気がつけば燻されたのはもみがらだけじゃなく人間もだった。虫もつかないだろうあの匂いが服に染み付いていた。
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